ねいぴあの世迷い言

つれづれなるまゝに、をりをり、ぱそこんにむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

logの次元について

logの次元について書きます。

はじめに

注1)この記事は、

  • 前野[いろもの物理学者]昌弘さんのツイート

  •  yahoo知恵袋での質問とその回答

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

  • 量の対数の解釈と表記

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/48/6/48_KJ00005897563/_pdf

の以上3つを参考にして作成したもので、以上の参考元を読むと分かることを、ただ単に筆者のノートとしてまとめたものです。

注2)この記事は、初学者によるもので、間違いを含んでいる可能性があります。

結論

  • $\log(x)$は無次元でなければならない。
  • $\log(x)$の$x$は次元を持つ量でもいい。

$\log(x)$は無次元

まず、指数関数$y=a^x$の引数$x$は無次元でなければなりません。

なぜなら、指数関数はテイラー展開より、

$y=1+x+\frac{1}{2}x^2+\cdots$

と展開できるので、$x$が次元を持っている場合、右辺が異なる単位をいくつも足し合わせたものになってしまいます。

$A=e^B$という式において、$B$は無次元であるので、$A$も無次元です。

上式は$B=\log(A)$とかけ、$B$が無次元なので$\log(A)$は無次元です。

また、$\log(a+x)$のテイラー展開

$\log(a+x)=\log(a)+\frac{x}{a}-\frac{x^2}{2a^2}+\cdots+(-1)^{n-1}\frac{x^n}{na^n}+\cdots$

となり、右辺には無次元量しかありません。したがって、$\log(a+x)$は無次元です。

例外

定義に$\log$が用いられているものがあります。

例えば、音の大きさを表すときに用いられているデシベル[dB]があります。

デシベル$L$は、基準量$A_0$と$A$との比の対数の10倍と定義されます。

$L=10\log\frac{A}{A_0}$

このように、デシベルは無次元量ですが、例えば、30dBのように書かれます。

定義が$\log$でなされているものは、無次元量ではあるものの、単位をつけて表現されるようです。

$\log$の引数

$\log(A)$は無次元、$\log$の引数である$A$も無次元と述べましたが、$A=CD$と書けて、$C$と$D$が共に次元を持っている場合、

$B=\log(C)+\log(D)$

となるので、$\log$の引数$C$と$D$は次元を持っています。

$\log$の引数に次元を持つ量が入った場合の解釈

まず、決まった単位系しか使わないと仮定し、長さの単位を$\lambda$とする。この単位を使って表した長さの数値を$X'$と書く。この対数は$\log_{10}X'$となる。このように書いたうえで、次に別の単位系を使ってみる。$\mathrm{m}$を採用して、$\mathrm{m}/\lambda=[\mathrm{m}]$とする。$[\mathrm{m}]$は数である。長さの単位は$\lambda$で表さなければならないと決めたから、$X\mathrm{m}$は$X[\mathrm{m}]\lambda$である。この数値$X[\mathrm{m}]$の対数は、$\log_{10}(X[\mathrm{m}])$となる。$[ \ \ ]$をはずして書いてみた形$\log_{10}(X\mathrm{m})$と比べると、形式上、完全に一致する。$\log_{10}(X\mathrm{m})$は真数が量の形になっているので、$X\mathrm{m}$を$x$と書くと、$\log_{10}x$と表せる。真数が量のときは、$\log_{10}(X[\mathrm{m}])$の意味だと理解すればいい。国際単位系では、$\mathrm{m}/\mathrm{m}=[\mathrm{m}]=1$だから$\log_{10}(5[\mathrm{m}])=\log_{10}5$であり、$\mathrm{cm}/\mathrm{m}=[\mathrm{cm}]=10^2$だから、$\log_{10}(500[\mathrm{cm}])=\log_{10}(500\times10^{-2})=\log_{10}5$である。どちらも$\mathrm{m}$の単位で表した数の対数になって一致する。したがって、量を数と単位の積で表し、真数を量にしても、数の部分の対数を考えればいい。

$\log(量)$は$\log(数\times単位)$ですが、数の部分の対数と考えて問題ないということです。

$\log$の四則演算

真数が量であっても、対数の演算に影響はありません。

対数の演算で最も重要なのは

$\log(C)+\log(D)=\log(CD)$

ですが、

物理量$x$について、$\log(Ax)=\log(A)+\log(x)$

数$X$について、$\log(AX)=\log(A)+\log(X)$

となり、いずれの場合も、真数の$A$倍について、対数は$\log(A)$分変化することが分かります。

個人的な解釈

そもそも、単位に用いる記号は、四則演算が適用できるため、文字式のような扱いですが、単位というのは、何かの基準です。

普段書いている、$(量)=(数)\times(単位)$というのは、(単位)の何倍であるかを(数)で表現しています。

そして$\log(Ax)=\log(A)+\log(x)$というのは、$\log(x)$という基準から、$\log(A)$分足されている(ズレている)ということを表現しています。

感想

高校の時以来使用してきた$\log$ですが、四則演算はかろうじて理解したつもりではあったものの、$\log$の本質について曖昧な理解なまま運用していたことに、強い自責の念を覚えます。

当たり前のことをまとめるのは非常に恥らしいことですが、自戒を込めて書き残して置きたいと思います。

このようなことは、気がついていないだけで、まだたくさんあると思うので、猛省し、精進します。