なぜ芸術鑑賞をするか、その理由と鑑賞のコツについて
大学生になってから博物館や美術館に行き、芸術鑑賞をする趣味を持ちました。
なぜ筆者は作品を眺めるだけの行為を繰り返すのか。
その理由と鑑賞のコツについて説明したいと思います。
準備がいらない
絵などにお詳しい人には怒られるかもしれませんが、芸術鑑賞には予備知識が必要ありません。
本当は歴史的背景や画法などのバックヤードがあったほうが楽しめるのでしょうが、筆者を含めて初心者には不要です。
なぜなら以下2つの行為を行うのが芸術鑑賞だからです。
天才に触れる
例えば数百年前、まだ社会が安定しておらず、現代よりも食べることに労力をかけなければならない時代。
その時代に作品を創ることを許された人は、現代のエリートよりも選びに選び抜かれた天才であったことに間違いありません。
そんな天才が残した作品の良さの理解者たちが、これまた数百年の間に渡って現代よりも保存技術のない中、手間をかけて守ってきたのです。
長い間失われることなく、人類が普遍に残そうと思ってきた作品が素晴らしくないわけがありません。
個人の好みはありますが、何百年も残ってきた理由がそこに作品として存在します。
人類が普遍に思う“良い”もの、それに触れられる機会、これが芸術鑑賞なのです。
自分の感性を知る
例えば服を買うとき。
選ぶときに生地の切り方はこうで、こういう技法を使ってあって、色使いはどうで……と気にして買う人は決して多くはないと思います。
多くの場合は自分に合うか合わないか、良いと思うかどうかで選ぶと思います。
それと同じように作品も自分が見てどう思うか。
歴史的に評価されていようがいまいが、説明書きが素晴らしいか素晴らしくないか、どちらでも関係ありません。
ただ、その作品を見て、自分がかっこいいと思うか、かわいいと思うのか、それだけです。
自分がどういうものにかっこよさやかわいさを覚えるのか、はたまた自分がどんなものを見ると楽しく悲しくなるのか、好きだと思うのか嫌いだと思うのか。
そういう自分の感覚をダイレクトに受け取り、自分の感性を知る場所、それが博物館や美術館なのです。
以上のような観点で芸術鑑賞を始めました。
ここからはこの4年間で得た芸術鑑賞の際のコツについて説明します。
芸術鑑賞のコツ
1.長い説明は読まない
美術館などでは各セクションの最初に長い説明書きがあることが多いです。
しかし、専門用語がふんだんに使われているので意味不明なことが多いです。
後述しますが、芸術鑑賞は疲れますので、すっ飛ばすのが定跡です。
2.自分のペースで鑑賞する
美術館などでは長い時間立ちっぱなしでたくさん歩くことになります。
あまりにも長い時間真剣に作品と向き合うと意外と疲れます。
気に入った作品は戻ってきてもう一回鑑賞すればいいので、テンポよく自分が気になった作品をじっくり鑑賞しましょう。
3.夏場は少し肌寒いことを想定する
美術館などでは作品を守るために夏場だと経験上20〜25度程度に空調が設定されています。
部屋でエアコンをかけるよりも格段に寒いです。
長い間たちっぱなしでたくさん歩くことになる上に、寒いと余計疲れますので対策して行くことが多いです。
4.音声ガイドははっきり言って不要
初心者のために用意してあるものだと思っていましたが、これに沿って芸術鑑賞をするととても疲れます。
事前に気になる作品があれば調べて行けばよいです。翌日からの活動のためにも自分のペースで観ることを優先したほうが良いです。
何度も書いてしまいましたが、芸術鑑賞は大変疲れます。
どうも疲れると集中力を欠いてしまって目が流れるだけの鑑賞になってしまったり、帰路や帰宅後に作業ができなくなったり、次の日の朝の目覚めが悪くなってしまう感じがあります。
個人差はもちろんあるかと思いますが、最初はこれに気が付かず失敗ばかりしていました。
最近ではよほど大きい企画展か休日で混んでない限り、作品数が多くても1時間強でさらさらと鑑賞を行うことができ、心も体もいい状態を保てるようになったように思います。
おすすめの博物館と美術館
第3位
西洋美術専門の美術館です。
ル・コルビュジエという有名な建築家が設計した美術館で、2016年に世界文化遺産の一つとなりました。
第2位
日本最古の博物館で、高村光雲の「老猿」、尾形光琳の「風神雷神図屏風」など有名な作品、国宝や重要文化財がこれでもかというぐらいある場所です。
第1位
国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
収蔵品を持たない珍しい美術館です。
毎回いろいろな美術館から作品を取り寄せて展示しますので、作品の見せ方がかなり優秀です。
映画「君の名は。」にも登場しました。
おわりに
「文化の秋」という言葉があります。
博物館や美術館で芸術に触れ、天才を感じ、自分を見つめてみるのはいかがでしょうか。
以上。