ねいぴあの世迷い言

つれづれなるまゝに、をりをり、ぱそこんにむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

なか卯エッセイ

ひと月の晩ご飯の2/3はなか卯という生活がもう1年以上にもなる。

しかしながら飽きが来たことがない。

そんななか卯の魅力について記しておきたい。

はじめに

学生ゆえにお金もなく、飲食店の選択肢も限られる。

研究で深夜帰宅ともなると、自炊以外に頼る羽目になる。

安いご飯を求める帰路だが、スーパーは割引後の商品すら全て売り切れている状況か、閉店後。

コンビニ弁当は少し割高で、毎日ラーメンも避けたい。

そこで流れ着くのが和食ファーストフードの最底辺である牛丼屋だが、そこでも牛丼1杯くらいしか頼めない。

「社会人になったら、1品足してやる」という小さな夢をいだきながら、丁重に味わう牛丼は、たった1人で田舎から上京してきた筆者にハングリー精神を思い出させてくれる。

そんな筆者とは裏腹に、深夜の牛丼屋は殺伐としている。

各々が無言で食券を買い、各自思い思いの食事を行う。

音楽を聞く者、スマートフォンで何か見る者、遠くを見つめている者、寝ている者、酔っている集団などなど、皆、自由に飲食している。

斯様な人間観察も面白いが、その空間では、思いの外自分の食事に集中することができ、毎日同じメニューを食べていると、自分好みの食べ方が確立されていく。

「ああ、最適化とはこういうことか」というつまらない冗談を思い浮かべながら、より自分に適した1杯の牛丼の楽しみ方はないか、試行錯誤の日々。

そんな中で生まれたのが、以下で紹介する食べ方である。

牛丼比較

吉野家、牛丼、並、380円、652kcal、1.72kcal/円、牛肉、玉ねぎ

松屋牛めし、並、380円、711kcal、1.87kcal/円、牛肉、玉ねぎ、+味噌汁

すき家、牛丼、並、350円、733kcal、2.09kcal/円、牛肉、玉ねぎ

なか卯、和風牛丼、並、380円、715kcal、1.88kcal/円、牛肉、しらたき、ねぎ

なか卯の牛丼は他の大手牛丼チェーンと比べると異端児である。

なか卯、無料券

毎月何日間か、3枚つづり(唐揚げ2個+こだわり卵+唐揚げ2個)の無料券が配られる。

もらったその場では使えず、次回の来店から、丼ぶり・麺類・カレー・定食を注文した際に、お一人様1回につき無料券1枚を利用することができる。

表面に「切り離し無効」と書いてあって不安になるかもしれないが、無料券は切り離して、食券と共に店員さんに渡そう。

たまに店員さんに切らせている横柄なお客さんもいるが、自分で切ることをおすすめする。

有効期間は大抵の場合来月末である。

これを活用しない手はない。

お気に入り商品

なか卯で注文するものは主に4つだ。

通常運行

和風牛丼 並 380円 + 無料券(こだわり卵)

はいからうどん 並 280円 + 無料券(唐揚げ2個)

なか卯の日

「毎月14・15・16日はなか卯の日」である。なか卯の日は「親子丼」「カツ丼」が100円引きなど、ちょっとした特典が得られる仕様になっている。この日には親子丼を食べる。

親子丼 並 490円→380円 + 無料券(唐揚げ2個)

・お金がある日

和風牛丼 並 + はいからうどん小 セットで560円、ランチタイムは500円 + 無料券(こだわり卵)

各商品の楽しみ方

・和風牛丼+こだわり卵

1.表面の牛肉を「箸」か「スプーン」で避ける。半面避けにしてもいいし、真ん中だけ開けるでもいい。

2.空いた白米部分に、こだわり卵を割り入れる。全卵が好きな人は全部、卵黄が好きな人は卵黄のみだ。ちなみにこだわり卵は小皿が2つもらえる。先にお醤油と卵を混ぜ合わせたい人は、混ぜ合わせ用と卵の殻入れ用、と使うのがベターだ。各テーブルの上にだし醤油が置いてあるので、それを入れよう。

3.白米を卵ご飯化する。半面避けにした人は白米半分と混ぜてからもう半分を牛の下から引っ張り出して混ぜ、真ん中だけ開けた人は丼の底に円を描くように混ぜることでよく混ざる。

4.紅しょうがと卵ご飯を楽しみつつ、おかず的に牛肉を楽しむ。ちなみ筆者は紅しょうがが大の苦手だが、なか卯の和風牛丼だけ紅しょうがを加える。なか卯の和風牛丼だけは、紅しょうがとのマリアージュが素晴らしい。理由は不明である。紅しょうがが特段苦手でなければ、少量から試すことをおすすめする。

どうも、何回も牛丼を食べているうちに、なか卯の牛丼には卵が必須だなと感じるようになった。卵かけご飯と相性のいい牛丼なのかもしれない。

・はいからうどん+唐揚げ2個

1.無料券でついてくる唐揚げ2個をうどんの中に入れ、唐揚げをできるだけ割る。

唐揚げを割ることで油が増え、麺のつるつる感がアップし、美味しさが増すような気がしている。店員さんから「唐揚げ少々お時間いただきますがよろしいですか」と言われる揚げたてでない限り、少し表面が乾いた状態になっているので、唐揚げに水分を取り戻すのである。

なか卯で意外と馬鹿にできないのがこのはいからうどんである。

なか卯のうどんの選択肢が「はいからうどん」「きつねうどん」「海老かきあげうどん」「牛肉うどん」「釜たまうどん(ゆずこしょう添え)」「冷やし釜たまうどん(ゆずこしょう添え)」「プレミアムカレーうどん」など、種類が少ないので、うどんを食べたい人は丸亀製麺はなまるうどんに行くだろう。

はいからうどんは、揚げ玉、かまぼこ(1枚)、ネギという非常にシンプルで、逆に言えば寂しいうどんに見えるかもしれないが、侮ることなかれ。これが美味しいのである。

きつねや牛肉は、トッピングによって出汁が若干甘やかになってしまうところがマイナスポイントである。

麺も出汁も280円とは思えないクオリティで、シンプルなうどんだが、なかなかに深い味わいがするのである。

さすが「丼ぶりと京風うどんのなか卯」を標榜しているなか卯である。 

・親子丼+唐揚げ2個

1.店員さんに「山椒をお願いします」と言って、山椒の小袋をもらい、山椒をかける。or紅しょうがを少量加える。

この山椒が意外と面白い食べ合わせを生み出す。香りが総合的に良くなるのである。個人的には山椒か、紅しょうがのどちらかで良い。欲張って親子丼+山椒+紅しょうがとすると、どうも味と香りが複合的になってしまい、喧嘩しているような気がしてしまう。

親子丼+紅しょうがの場合は少量がおすすめである。和風牛丼+紅しょうがの場合よりも、紅しょうがの味が主張してくるからである。

2.少し食べ、底が見えたら、そこに唐揚げを入れて、唐揚げに卵液を染み込ませ、水分を取り戻す。

どうも筆者は水分が足りない食べ物が苦手なようである。

ちなみに特盛には卵黄がプラスされるので、より卵感のアップした親子丼を食べることができる。

もちろん、無料券でこだわり卵を選択するのもアリである。

・和風牛丼 + はいからうどん小+こだわり卵

1.前述の方法で、和風牛丼の白米を卵かけご飯化し、紅しょうがを加える。

2.うどんの麺をすする。このとき、出汁を飲みきらないように注意する。

3.卵かけご飯、紅しょうが、しらたき、ネギを食べる。

4.牛肉をうどん出汁に入れ、肉吸い化し食べる。

そんなめんどくさい手順で……と思われることだろうが、お金がある日は気分がいい。

深夜の殺伐とした牛丼屋で、サラリーマンと思われる男性にちょいちょい睨まれながら、自分の作業、そして自分の食事に集中する瞬間こそが、牛丼屋の孤独を楽しむ、貴重な機会なのである。

別に人の食べ方なんて気にしてないとは思うが、嬉々としてこの作業をしている筆者は、リーマンとよく目が合う。なぜだろう。 

その他

なか卯の各テーブルの上には

・箸

・スプーン

・だし醤油

・七味

・紅しょうが

・紙ナプキン

・つまようじ

が置いてある。

「牛丼やうどんや親子丼に七味はかけないのか」と言われることもあるが、結論から言えばかけない。

筆者の中で、辛味のある調味料というのは、主に香りを良くするもので、辛味は二の次である。

どうもなか卯の牛丼やうどんは、置いてある七味をかける前提にしていないように感じるのだ。

原因は恐らく七味にあり、特段辛いわけでもなく、香りもそこそこ、という中庸の柔らかめの七味である。

辛さでパンチが欲しい人には物足りなく、香りをプラスしたい人にも物足りなくなってしまうのではないかと予測している。

おわりに

ものすごくこだわりの強い食べ方をしているような書き味になってしまったが、現実はもっと適当である。

あくまで、現状、元気のある時、自分に最も適した食べ方はこれ、というだけの話で、他人に対してこれをやれなどというつもりは全く無い。各々自由に食事を楽しめば良いだけの話である。

今後も新たな発見により進化を続け、より適した食べ方を模索したいところである。